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Re: 虎雪の部屋[雑談・呟き] ( No.38 )
日時: 2020/11/08 01:19
名前: 虎雪(コユキ) (ID: ncbR.D/v)

深夜テンションで書く新作小説


「腐女子の公式!」
  プロローグ

 私、高橋絢香(たかはしあやか)! 今日から中学一年生!
 この台詞、ずっと前から言ってみたかったんだよね。
 だって、主人公っぽいじゃん? 少女漫画でよくあるじゃん?
 たった一回で良いから、少女漫画みたいなご都合主義な青春、送ってみたいものだよ。
 愚痴りながら中学校へ行く為の準備を始める。
 朝食をかきこみ、鞄に物を詰め込み、真新しい制服に着替え___、

「いってきます!」

 家を出た。
 と言ってもいつもと変わらぬ景色が広がっているのだけれど。
 先程、「少女漫画みたいなご都合主義な青春を送ってみたい」とは言ったが、流石に入学初日でパン食わえて遅刻して曲がり角で運命の人とドーン!というのはやらない。
 初日にそんなことしたら注目の的がすぎる(だって入学式で遅刻してるんだから)。
 そしてそのぶつかった運命の人に対して、自分を好印象に見せることが出来るのだろうか? そのあと再会したら絶対「あ。今朝のパン女」とか言われるゾ?
 そんなの嫌だ。切実にそう思う。
 
 というか私はそもそも現実の恋愛に興味はない。こういうことを言うと、言っていることが矛盾しているように思えるかもしれないが、私は「恋愛をしたい」のではなく、「青春を送ってみたい」のだ。
 何も青春は恋愛だけではない。部活だって友情だって青春だ。
 恋愛をする予定は今までもこれからもないが、新たな友達は作りたいと思っている。
 部活はというと・・・、どういった部活動があるか知らないのでそれは学校に行ってからのお楽しみだ。
 優秀な成績を残した部活が多かったはずだ・・・。多分。
 そんな感じで記憶を手繰り寄せながら歩いていたら、あっという間に到着した。

 校門には「雪幌市立百合ヶ丘中学校(ゆきほろしりつゆりがおかちゅうがっこう)」と書かれている。
 私が三年間通うことになる学校だ。
 その近くには立て看板に「第七十二回 雪幌市立百合ヶ丘中学校入学式」とも書かれている。なるほど、創立七十二周年なのか。
 目線を上げると、青空に映える白いコンクリートの校舎が目に入った。四階建てだろうか。
 そして校庭には桜並木が・・・。上手い感想が思い付かないが、日本って感じがする。
 校門を通り抜けて、何の気なしに辺りを見回していると、小学校の時の同級生をチラホラと発見した。
 私の通っていた小学校___白百合(しらゆり)小学校と近いからだろう。