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*橡 李裕の腹の底



「貴方の優しさは病だ」と言われ続けたこれも、この子に会えた事で肯定出来そうな気がする。
しかし「謙虚であれ、優しくあれ」とずっと亡霊のように居座る声は、まだなくなってはくれない。
鳴り響いて、近付いて、「忘れるな」と緩やかに私の首を絞める。

容易い事すら言葉にしなければ、どうしたって伝わらない。だからそれを伝える為に、吐き出す為に、私という物書きは存在している。
死んでしまった言葉達、せめて美しいまま花を手向けるように。
飾って、飾って、少しずつ情を混ぜていく。
愛しいこの子の事、居なくなった大切な人の事、居て欲しくもなかった他人達も、良い思い出だなんて到底言えないような昔の事も。
忘れたくない事は勿論、忘れたかった事すら、日銭を稼ぐ道具にして。
それが私を私たらしめる、唯一の方法なのだ。

日々殺さなければ生きる事が出来なかった。
手に入れた物だって、どれも此処に留まる事を許された試しはない。
それでも、臆病で酷く不器用な初恋に、救われたのだ。
足を重くするだけだと思っていた感情が私にも取り憑き、実際に足は重くなって、そこで初めて失いたくないと本気で願う物を見つけた。
私は死に場所を見つけたのだ。
この子を愛したい、唯一無二で側に居たい。
共に幸せになって、ゆっくり歳を取って、この子の側で死にたい。



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というネタ。>>3のうちの子の話なんだけど本当同じ人物だと思えないな。エロメインで吐き出したせいなんだけど。
シリアスエロお兄さんド性癖なんだよ分かってくれ。