大人雑談掲示板

Re: 気の向くままに ( No.4 )
日時: 2023/06/15 12:44
名前: 月風 (ID: YOiERuKP)

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《アニメ考察・TRIGUN STAMPEDE》
前作の荒野を舞台にした少々コミカルな作品を期待して観ると、確実に期待外れとなってしまうであろうか。
これはこれで別ものとして観れば良いと割り切れるかどうか?
賛否両論である。

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『TRIGUN STAMPEDE』の第2話を観る。
作画が素晴らしい。
登場人物のデザインはちょっと置いといて、他の作画の話から。
3Dモデルにありながら実に2Dらしくある、アニメーションとしてCGの持ち味が活かされている。
多角的な視点からの躍動感・砂塵の表現。
こういうことなんですよ。

第1話では登場人物にだけ目が行ってしまい、残念な印象の残る観始め。
1話切りされて損する作品かもしれない。

第2話で他を観てみると、とんでもない出来栄えであることに気付く。
大友克洋作品の作画に近い何かがあることは、間違いないかと思わせる。

尚、登場人物は、もう少し服に汚れがあったりと味があった方が良かったかもしれませんね。
(ここは、もう少し様子見。)

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『TRIGUN STAMPEDE』の第4話を観る。
まるで劇場版を観ているかのような『感激する』程の質の高さ。

「服に汚れがあった方が深みがあって良いかも。」
と前回(第3話の時に)言ったけど、そこが見事に改善されている。
(緊急に手直し出来るものなの?)

光技術も美しく格段に画力の向上した回である。
久しぶりに『圧倒的』という言葉を使うにふさわしい作品が出てきた感じだ。
3D作画の表現技法を捉えたのかな?
『感激する』と言わしめたのは、特別の水準にある時くらいにしか使わないんでね。
今世紀、最も画力の高い作品の1つに挙げられることは間違いない。

賛否両論で悩むところ。
画力の高さだけで『今世紀最高ランクに値するのではないか?』と、圧倒されたところが決め手にあり。
《本編》のディストピア作品の項目に軽く記録しておこう。

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『TRIGUN STAMPEDE』の第5話を観る。
なんと感動するグラフィックの完成度の高さ。
この回で気付いた点は、口の動きが実際の動きとまるで同じ動きをしていること。
アニメなのにリアリズムを追及してきたか、入魂の作品ですね。
ここまで緻密に表現してるアニメは、滅多にお目にかかれない。

物語の方は?
初代『トライガン』のチャラけた様相とは打って変わり、終始シリアスに進行している。
これが良い意味での葛藤感を醸し出している?(後味が悪いんだよね・・。)
神父の慈悲深さに甘さが無いのはバッシュと対照的にあって、初代『トライガン』と比較した場合(勿論、視聴者側にも同様に)、そこは考えさせられる構成として如実に感じられるかもしれない。

神父が関西弁なのにシリアスとか関西人にとって、それは良いことなのだろうか?
「関西人を何だと思っとんねん?」
と思われるかもしれませんが〜。
知らんけど。

あれ?
『トライガン』だけで1項目作れてしまいそうだな。
愛好家という訳でも無いのですが、何せ画力の完成度の高さから色々と語れてしまう。

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『TRIGUN STAMPEDE』の第7話を観る。
登場人物の表情に慣れてきたせいか、愛着が少し湧いてきたかも。
以前から指摘してる、CGの悪い癖・マイナス面が多少払拭されているせいかもしれない。

物語性はどうか?
全体的にはまだ分からないけど、今回はアクションが良かったですね。
手に汗握るシーンとはこのことか。

力の入る展開でした。

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『TRIGUN STAMPEDE』の第11話を観る。
「さあ、観てみるか。」
と思った時の若干の取っ付きにくさは、作画の透明感が前面に押し出されてる場面が多く、物語もシリアスと相まってか?
(『透明感』と言うのは、水中ゴーグルみたいなあれですね。)

無機的な生気のないデザインが邪魔をしている?

いざ観てみると、払拭されてる良い意味での画力の高さ。
登場人物も口の動きに良い点はあったけど、そこはちょっと置いといて。
樹木・砂漠・花・ガラス・はては空。
絶妙なバランスで使い分けて、その調和は感動を憶える程のアートワークの凄みとなっている。

観始めると止まらなくなるのは、スナック菓子みたいな感覚か。
別に無くても困らないし、然程食べたいとも思わないお菓子だが、1口食べたら最後まで食べないと気が済まなくなる、そんな感じでしょうか。

以上から:
コント染みたお笑いを少しだけ売りにしていた初代トライガンを知っている者からすると『取っ付きにくい』のである。
ここにもう一歩『観たい』と思わせる何か。
(初代『機動戦士ガンダム』の第1話みたいなものかな?)

解決策の必要性があるかどうかは、制作陣や脚本家の考え方でありますから、こちらでどうこう言えるものではない。

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『TRIGUN STAMPEDE』の第12話を観る。(最終回)
この回で初代トライガンへと続くことに気付く。
最初の悪印象のせいで、女性の名前を覚えもしない・気にも留めずに観ていたからである。

あの女性キャラ(メリル・ストライフ)は、前作に登場してたあの人物だったのか。
(保険屋だったはずが、何で新聞記者なんだ?)
後輩のミリィ・トンプソンの名前が出て気が付いた。

顔の表情・表現に関して言わせてもらいたく。
本来の作風と異なり、前作の良い点を消して別に良い点を生み出している。
新作の全体的に暗い作りにある作風は、どうも悪い意味での不安要素しか残らない作品となっている気がした。
(別ものとして観るなら悪くない?どうなのでしょう?)
それでも技術面で価値のある要素が多かったりと、とにかくアンバランスなのである。

前作で使用していた、面白味のある表情を捨てられた点は納得がいかない。
トライガンだからこその持ち味と言いますか(深夜アニメだからこその持ち味?)、アニメだからこそのパロディが消されてしまった。
ここが最も残念なところである。

取り敢えず・・。
これはこれで、観応えのある作品ではありました。

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