「へっ……? 速水君……?」 手を取られ壁に手をつかれて驚き紅夜を見つめる。特に何かされるとは思っていないため、この状況に不思議そうにする。 近くに誰もいないため彼のいつもより低い声が耳に強く残る。静はその声にどこか胸の奥が熱くなる気がし、距離もあって自然に鼓動が早くなっていく。