そんなに卑下なさらないでください(笑)はいっ、初夏でお願いしますっ。「ん……あ、速水君。おはよう」 静は衣替えして半袖に薄い夏用スカートを身に纏い、長い髪を頭の上でまとめていた。夏の暑い日差しに参りそうになりながら、髪の間から首もとに通る風に癒されていた。 彼女は聞き慣れた声に振り返り、駆け寄ってくる声の主に微笑み掛ける。周りは同じ制服を着た学生たちやスーツ姿の大人たちが時計や携帯を気にしながら歩いている。