「へ……?」 そんなこと考えもしなかった静は紅夜の言葉を聞きキョトンとする。そして目の前に出された手を見て、数秒遅れて顔を赤く染めていく。「っ……わ、私は別に良いんですが……っ、ご、ごめんなさい。嫌なら離しますねっ」 静は一気に恥ずかしそうにし、顔を背けて言う。普段から冷静な彼女は滅多にこんな反応はしないが、余程恥ずかしかったのか髪から覗く片耳は見事に全面真っ赤になっていた。