15歳以上向け小説投稿サイト「大人小説☆カキコ」。超本格派から秘め事・過激な小説まで！

「其れにあんたも解ってんだろ。傷物は買われない事の方が多い。つまり俺は売れ残りする可能性が高い訳だ。要するに俺は態々誰かのものにならなくて良い、俺にとって最高じゃないか」
ほんの少しだけ嘘を混ぜ込んだ言葉。彼の口では「誰かの物にならないで済む」だった。然し彼も人間。こんな状況ではあるが、微弱ながらも羞恥心が戻って来たのか本音を、隠していたんだ。本当の気持ちは心の底に閉じて、静謐な空間で木霊した言葉を脳の中で反芻する。「傷を付けて貰えば、あんたと少しは一緒に居れそうじゃない？」 なんて。多少なりとも欲を満たして貰っただけじゃないか。だから彼は其れを脳内から消去、後に再構成不可能にすればもう何時も通り。なあ、そうだろ？