「っあ、〜…!」耳元から伝わる感覚に身を震わせる。勿論不意打ちなのだから流石に声を出さない様に堪えるのは無理だったらしく僅かに吐き出した、相手の嫌いだと言う高い声。色で例えるならば灰色の、低く響いた彼の声。其れは涼にとって酷く充分過ぎる刺激だった。悦楽と拒絶、愉快と恥辱。先程まで混ざり合っていた感情が、はっきりと分けられた。自分が何を思っているのか、どうしたいのか。そんなのは、解りたくもなかったけれど。