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>>46
千恵はレンドリムから抜け出して今どの世界にいるのか分からないので曖昧に書きますね


手を、繋いだ。
若い男の人の声がして。
唯一確かな差し出された人の手を、千恵はしっかりと握った。

それとともに、ぱあっと周りが明るくなる。千恵の二つの瞳は、見慣れない、かといって全く現実感がない訳でもない街を重なり合って映していた。

自分の手は、ちょっと重たいデジカメをちゃんと支えている。数年前に親に買ってもらったそれを持った姿勢で、地面にぺたんと座り込んでいた。

（まだ夢を見ているのかな、私）
目を擦ってみれば感覚は確かにそこにある。それなのに、この違和感は何だろう。さっきまで写真を撮っていたはずなのに。どうやら変な夢を見ただけではなさそうだ。きょろきょろと辺りを見回してみても、千恵の土地勘は全くといって働かず、またしても軽い不安に陥る。一方で、自分のいる状況に楽観視も働き始める。手を繋いだその感覚にホッとしていたことも手伝って、根拠のない安心が心の片隅にあった。というわけで、自分の知らない場所にいきなり放り出されてもまあ何とかなるさと気楽に構えて、カメラを下ろした千恵であった。