少しずつ、意識が浮上する。瞼を持ち上げて目に入るのは見慣れた天井。然し寝室の天井ではない。此処は居間のようだ。二三回瞬きをして、傍らに居る少女に目を向けた。黒くて長い髪の美しい少女だ。こめかみ…より少し下辺りには羊の其れに似た角が生えている。………………あれ、此の子誰だろ……?