「おはようさん。ゆっくり寝れちょったがか?」近侍として審神者、つまり主人の部屋に居る訳なのだが今日はやけに朝早く起きてしまったのだ。故に陸奥守は胡座を掻いて、暇そうに襖の向こうを見つめていただけだった。彼らしからぬ雰囲気だと誰もが言いそうだ。だが然しやっと聞こえた背後の声にぴくりと髪を揺らし、陸奥守は後ろを振り向く。目が半開きになっている主人を視認すると座ったまま近付いて、にっこりと笑みを浮かべそう問うた。