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　>>38

　「ええ、しっかりと聞いてました。
　…ですが、答える必要がないと判断したので答えませんでした。 解答したほうが良いですか?
　まあ、分かりきっていることですが…」
　　
　何れにしてもここを離れずに住むという結論に繋がるし、とりあえずこの交渉を有利に進めたいと思って解答しなかったものだ。続けざまに

　「そうですね…水に濡れるのは避けたいですし重労働も嫌ですね」

　そんなことを言ったらやることができる仕事がないのでは?、と思わせる発言をして

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　フルネームで呼ぶことがそんなに嬉しいことなのかと、その見るからに喜びを表している様子に対して目を丸くする。
　まずこちらが人間ではないことの説明も何にも言わないのにこんなにも自分を好いてくれる彼女に驚いていた。

　「あ、あのっ…出会ったのもほんの数分前なことですし、近場が良ろしいと思います…っ」

　スキンシップが少々激しい彼女とふたりっきりでお出かけ出来るなんて、まるで恋人…なんて妄想が始まってしまって首をブンブンと振ってかき消す。少しだけ頭で思っていたことが顔に出てしまっているようで顔の赤みがまだ引けてない。