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茜空様
「……俺も、下心はあるぞ」
　少女が歩みを止めたことで彼も足を止め、彼女の方を向いて言う。自分は犯罪者ではないかもしれないが、犯罪者予備軍かもしれない。少なくとも、自身が何の見返りもなしに動ける人間だと、完全に断言できる人間はいないだろう。
　彼女によって止められた歩みを、零士は少女の手を引いて無理矢理動かす。

エヴァミリ
「……そんなにハロウィンが楽しみなのか。すぐ着替えろ、怪しまれるぞ」
　零士は定番の言葉を聞いてそういうも、内心ではハロウィンの仮装ではないという予想を脳内から消してはいなかった。他人に節介を焼くのは自分らしくないが、放っておくのも気が引けて忠告する。