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>>90
「お前がいる間に入る気はない」
　ミカエルに一瞥も与えずに独り言のように返事を返す。
　明日の朝になれば一人になる、その時に入ればいいだけの話だ。
「……早くベッドに入れ。すぐに朝が来るだろうよ」
　足を組んだまま、うんざりとした調子でそう付け加えた。

>>91
「……会場までご案内いたします」
　ノイズ交じりに声はドアの前でぴったりと立ち止まったまま再びそう声をかけた。
　せかす様子もなく、促す様子もない。ただ仕事を淡々とこなしている様子で、扉の前でじっとルークが出てくるのを待っている。

>>92
　ベルが眠りに落ちて少し経った頃、屋敷内に大きな鐘の音が響き渡った。
　鐘の響きが収まったほどに一つの足音がベルの部屋の前で止まり、控えめなノックの音が響く。
「……ベル様。晩餐会の準備が整いました。会場にお越しください」
　ノイズ交じりの抑揚のない声がドア越しにベルへ投げかけられる。