>>91 誰もいない、そして自分の部屋ではないこの空間に一人。沈黙が千里を包んでいき、何かをしようとする気さえ失っていく。邪魔だから早く出ていかなければ……それくらい分かっている。まだ今は何もできてない、新居とか家具とか服とか日常生活で必要になるものが。 「……早く準備しないと」 聴こえない筈の祐の言葉を読み取ったようにこちらもそう呟いた。