狐憑き様 お久しぶりです! いえいえ、こちらこそ返信が久方ぶりになってしまったので全然気にしないでください。「……ふふ、覚えてるよ? 犬塚勇君」 夜凪は首をかしげて自分を見つめる彼に、寂しがる犬を思い浮かべてクスクスと笑う。先程絡めた指を擦りつつ、わざと色っぽい声で彼の名を呼ぶ。蒼紫様了解です!「ん……」 放課後になると境也は教材を鞄にいれ帰り支度をしていた。