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隣から可愛らしいソプラノの声がする、それを発している正体はいつも話している女性の霊だ。親しい…のだろうか、はっきりとは言えないもどかしさが
あるがまぁそれなりの仲だ。彼女の言葉に｢あぁ｣｢そうだな｣なんて軽く返す
突如として彼女がピタリと止まる。あぁ、もう帰るのか。次の言葉を予測する
彼女の名を不思議そうに呼べば申し訳なさそうに眉を下げながら彼女は笑った
やっぱり、予想は当たっていた様だ。｢じゃーな｣と軽く手を振りながら別れを
告げる、また明日も遊ぼう。手首の腕時計を見れば針はまだ12時を指していて
まだ帰らなくても良い時間だと分かる。どうしようと最善策を導き出す為に脳を
回転させればふと遠い昔の記憶を思い出す。ここら辺に確か神社があった筈だ
よし、そこに行こう。言い方が悪いが時間は潰せるだろう。そうと決まれば善は
急げ、だ。ぼうぼうに生えた草を踏みながら鳥居を探す。ちらりと視界に赤
が差す。しっかりと目線を移せばそこにはボロボロの鳥居が。あった、と
小さく声を漏らしその鳥居に近付き潜り抜ける