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Re: 【BL.NL】神と交わした約束を【指名制.募集中】 ( No.487 )
日時: 2018/02/01 22:31
名前: 枢木 ◆qPaH7fagTg (ID: mbAUzuHW)

>>484

杏子「……まーちゃん……」
頭を撫でられれば幾分か震えが収まり、思考も徐々に回復してくる。この手の感触も懐かしい、そう安心したのだろうか。まだ全てを思い出せたわけではないが、少しずつ記憶が呼び起こされる。
確認するように再度相手の名前を呟けば、スリ、と腕の中にくるまる猫のように頭を摺り寄せる。先程まで子供扱いされることに内心腹を立てていたのに、幼少期に戻ったかのようだ。

「……うん、うん。……そう、ね……」
こくり、こくりと頷きを返しながら、頬を撫でられくすぐったそうに顔を上げる。とろりと蕩けるような瞳を見れば、やっぱり彼は自分が幼い頃に出会った彼なのだと感じる。小さい頃の自分なら今、「そう言っていっつもいなくなるでしょ!」と自分がすぐに迷子になることを棚に上げていただろう。我ながら我が儘な娘だったな、と少し恥ずかしくなる。


来璃「……おぉ、」
ゆっくりと彼女は振り返る。やはり無表情だったが、菓子を見た瞬間、目をキラキラと輝かせて感嘆の声を漏らした。
様々な種類の菓子が並べられている光景は、いつ見ても心が躍る。チョコレートを一つ手に取り口に入れると、広がる甘さに思わず目を細めてしまう。

「……美味しい」
素直に感想を呟けば、ほんのりと微笑を見せる。今まで無表情だった分、変な顔になっていないかとも考えたが、チョコが口から消える頃にはどうでもよくなっていた。
そういえばこうやって縁側でお菓子を食べるのも、初めてではない。うっすらと思い出されたのは、誰かとこうしてお菓子を食べている光景だった。その誰かは分からないのだが、無愛想だったところは目の前の人物に似ている気がする。思い切って聞いてみようかとも考えたが、相変わらず相手は機嫌が悪そうに感じ、そのまま黙って菓子を食べ進めた。