大人なりきり掲示板
- Re: 【BL.NL】神と交わした約束を【指名制.募集中】 ( No.508 )
- 日時: 2018/02/04 07:57
- 名前: 枢木 ◆qPaH7fagTg (ID: mbAUzuHW)
>>506
杏子「背も伸びちゃったし、完全に昔ってわけじゃないけどね」
結構伸びたでしょ、とやや得意げに笑う。誰よりも小さかったあの頃とは見える景色も違っていて、懐かしさと同時に新鮮さも感じられた。それでも彼には到底届きそうにないのが少し悔しい気もするが。
「……何よ、それ。まーちゃんの世界の中心が私なの?」
軽い冗談のつもりなんだろう、そうだと思った。いや、そう思いたかった。変なこと言うわね、とクスクスとまた笑みを溢すも、どこか甘ったるいような言葉の羅列に先程の自意識過剰的な思考が呼び起こされる。もし仮に、本当に彼がそんなつもりで言っているのだとしたら、自分はどうするべきなのだろう。素直に喜んでも良いのだろうか。烏滸がましい考えではあるが、何故か拭えない。
来璃「……ダメだよ春ちゃん。……死んじゃうのは、ダメ」
宥めるように優しく頭を撫で続ければ、来璃もまた彼の耳元でそう囁く。共に死んでほしいと言うほど、彼が自分のことを思ってくれていることは素直に嬉しかった。出来ることならこくりと頷いてしまいたい。
それでも、浮かんでくるのは家で待っている祖父母のことと、彼のことだった。
「……春ちゃんがいなくなると、冬が終わらなくなっちゃうでしょ。私のおじいちゃんとおばあちゃんを凍え死にさせる気?」
そうなったら怒るよ、と子供を諭すようにそう話すと、ぽたぽたと落ちる彼の涙を袖で拭う。彼が泣くのを見たことがあっただろうか、どの記憶を辿ってもそれらしいものは見当たらない。きっと彼は、神社へ行かなくなったあの日からずっと一人で私を待っていたのだろう。その寂しさというのは一体どれほどのものだったのだろうか。
そう思えば、本当に彼が可愛らしくて仕方が無かった。こつん、と額を合わせれば、そのまま彼の唇に触れるだけの口付けを落とす。