中也「手前何時も返事なんかしねェだろうが」何時もと変わらぬ頭にくる笑みと揶揄いに、何時も通り釣られキッと睨みつけた。中也「否、躰に掠めた銃弾の後が何時もより少ねェ。ぼんやりしてた証だ」外套の端や下履きの銃弾の掠めた痕と見て言った。死にたがりの太宰は何時も銃弾の雨に突っ込んで其処彼処に痕を作るのだが、今日は其れが少ない。ぼんやりとして無意識に銃弾の当たらない道を選んでいた証拠だ。