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待ってない、という倉嶋の言葉に安心した素振りを見せるがどうせこいつの事だから結構前に着いて待っていたのだろうな、と推測は出来ていた。それを口に出さないのは、言っても笑ってはぐらかされることも推測できているからだろう。
この推測が出来るのは昔から倉嶋と中学までいたからであって、そんな付き合いが無かったら当然こんな推測も出来ないため本気で安心していたので選んだのがこの人で良かったとこういう時に思う。

自分の服装について褒めてくれるのは女性にとってときめくポイントとなるのだろうが、相手が幼馴染で仲が良い親友のような人に言われる状況だと話は違う。嬉しいのは変わらないが受け取り方としては軽い意味でとしか受け取らない、というよりそういう風にしか受け取れないのだ。

「ありがと、でも大袈裟じゃない？」

小さく笑って返す。照れる素振りなんて一瞬も無い。それが彼女の当たり前だった。
しかし、そんな汐音でも倉島との久々に出かけるのでいつもより格段に楽しみにしていた。

「いやぁ、でもあんたと出かけるの久しぶりだよね…」