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「そういえば、高校別れてから全然会わなかったね…」

倉嶋のあくまでも本音という発言を軽く流し、今思うと…としみじみ言う倉嶋に乗っかっていく。
実のところ、汐音自身は高校生活中に倉嶋と会いたいと思うことは何度もあったが、知らないところで彼女ができていて断られるんじゃないかなどの様々な断られる不安があったため今まで連絡さえも取りにくかったのだ。
数えてみると、約14年会っていなかったことになる。14年たつと少しは変わっているが現在も昔の懐かしい倉嶋のままだった。

小学校、中学校と人気だった倉嶋はそれなりの職に就くのだろうなとは思っていたものの有名人になっていたことは汐音でも驚いた。普段テレビを見ないということもあり、番組の顔合わせの時に出会ったときは驚きすぎて固まったほどだ。
そんなことを考えていると、倉嶋が手を差し出してきたので一瞬戸惑う。
どうやら、こういうところは14年間で変わったらしい。

「そういうところは変わったね。」

汐音は率直な意見を伝えると、微笑みながら倉嶋の手を取った。