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はてさてなんて呼べばいいのだろうか。緩やかに巻かれた髪を指で弄びながらも、待ち合わせ場所に向かう最中にそう考える。前の打ち合わせではダーリン呼びをしたものの、相手の反応や自身のファンからの反応を思えば、あまりいい呼び方ではないのかもしれない。とはいえキャラ的にはそれぐらい言っても可笑しくないだろう。そう思いながらも腕時計を見れば待ち合わせまでもう少しで、流石に最初で遅刻は不味いと思い少し小走りになる。

（ええっと……あ、いた。ちゃんと早く来てるのね）

キョロキョロと視線を動かして相手の姿を探せば、案外すぐに見つかったために胸を撫で下ろす。遅刻してきたらどうしてやろうと思ったがそんなのは杞憂だったらしい。第一印象もそうだったけど真面目なのね、なんて思いつつも変装としてかけてきた眼鏡をクイッと持ち上げれば、別段服装におかしな点がないことを確認してから声をかけて。

「おはよう詠斗、随分と早くから来てたのかしら？」