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此処は、何処だ。俺は確かお別れ会の引退帰りで皆と別れた後、ようやく一人になって格好悪く泣いていた筈だ。それに泣いた場所はよくチームメンバーと一緒にソーダアイスを買って食ってた公園の前だった筈、断じてこんな所ではない。あまりの意味不明な光景に涙もぴたりと止んでしまった。そして、驚きの次にそれは突如としてやってくる。”恐怖”

ふとそんな俺に優しい声がかかる。顔を向ければ心配そうな声と表情がそこにはあり、如何にも此方を気にしているといった感じであった

｢えと、此処は…ｯ！｣

喉から来るは上擦った声。だらしなくて恥ずかしくて、それを隠す様に野球帽を被り直せばキッと覚悟を決めた様に真剣な眼差しで問いかける

｢あの、此処は…此処は、何処ですか！俺、気が付いたら此処に居て……｣

覚悟をしたのは良いが、いざ口に出すと上手く説明が出来ずわちゃわちゃと身振り手振りをする。本来なら怪我をしたのかどうなのか答えなければならないのだが、彼は少しパニック状態に居てそんな問いかけは何処か遠くに飛んでいっていた