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鞠羅
　「そなたは女らしくいたいのか、それとも自分らしくいたいのか？」

　やけに低い、気持ちの籠った声でそう問い掛けた。
自分のせいでこんな話になったとは言え、心苦しい。
自分の無力さをひしひしと実感させられる。




獅斗
　「……そうか？　見たもの真実を言っただけだ。
海は可愛くて美しくて、俺の相手には勿体ない程だ」

　赤い顔の海、赤い目をした海、可愛くも美しくもある海。
そんな彼女が何やかんや自分の相手をしてくれている。
ふんわりと微笑んで赤い頬を大きな手で包み込んで海の顔をじっと見やる。