大人なりきり掲示板
- Re: 【練習】中文・長文なり【募集中】 ( No.18 )
- 日時: 2018/08/01 17:28
- 名前: 雛風 ◆iHzSirMTQE (ID: qXcl.o9e)
頭を撫でれば細かい髪が指に絡まって、さらさらとして、どこか気持ちがいい。からかって撫でていれば案の定、下から文句の言葉が女性らしい高い声と共に発せられた。昌介はそっぽを向き怒っている様子の彼女を見て、予想通りだったのか、腹の中で笑いを堪える。ただ堪えようとしているのに反して口許は緩んでしまっていた。
「……んあ? ……おう、そうだな。遅刻したら結菜のせいにするか」
何とか笑うのを我慢して飲み込み、少し遅れながらも返答を返す。こちらへ向き直った少女の顔は先ほどの不服そうな様子は消えて、昌介が好きないつもの笑顔になっていた。いつも笑顔だが、先ほどの表情から切り替わったせいか、普段より余計に彼の胸を揺さぶっていた。昌介は自分の胸の高鳴りに自身でも動揺してしまい、咄嗟(とっさ)に顔を背ける。その頬は、何となく赤らんでいた。
顔を背けて、少し間が空いて言葉を紡ぐ。まだ頬の赤みと動揺は消えず、昌介は結菜から目をそらしたまま歩きだす。歩きながら、彼はからかうように言った。一応、結菜が普段より少し出てくるのが遅かったため事実ではある。しかしそれは口実に過ぎず、自分が先ほどの彼女の笑みに動揺したのを悟られないためのものだった。
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