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>>13

【畏まりましたっ、楽しみながら選ばせていただきますね】

「えー？ こんなに大きな神社は初めてなんだもん、都会っ子の僕からしたら驚くにはじゅーぶんだよ」

不意に聞こえた声にそう言葉を返しつつ、浅見はさ迷わせていた視線を一点に向けてからニコリと愛想良く笑う。目視できる距離だったのか、きちんと相手のことを視界に収めつつも「君がお狐様？」と至って普通の声音で問いかければ、手を後ろで組みながらも軽い足取りで御神木へと近づいて。

「あ、僕は駿河 浅見ね。お好きに呼んでもらって構わないよ。もちろん、名前を呼びたくないなら適当にあだ名をつけてくれても構わないけど」

ヘラヘラと笑いながらも上にいる相手を見るために顔を上げれば、自己紹介をしつつも相手の反応を伺うように目を細める。別段明確な答えを求めている訳では無いのだろう。それを示すように反応を促すような言動はせず、ただ相手の姿を視界に収めるためにじっと見つめているのみだった。