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「話すことは有意義だと思ってるんだよね。まぁ、嫌いな人と話すことほど無意味なことはないとも思ってるけど」

口元を片手で隠しつつもケラケラと笑ってそう言葉を返す。ぶわりと現れた尻尾にはほんの少しだけ目も丸くするも、すぐに愉快だと言わんばかりに細めて「へぇ、ほんとに狐なんだね」と言葉を漏らす辺り、肝が座っているというか危機感がないように思われる。とはいえこれが彼女の通常運転だ。無論、初めて会った目の前のお狐様がそんなことを知る訳もないのだが。

「あ、うるさかったら言ってね？極力お喋りはしないように気をつけるからさ」

目の前に降り立ってくれたお狐様を改めて見れば、ほんの少し痛くなってしまった首を回してから人差し指を口元に当てる。そんな姿は様になっているが、何処と無く胡散臭かったりウザかったりするのは、彼女がずっと口元に浮かべている笑ゆえだろう。