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>>30
茜空様

「は？　いや、も...もふもふってなぁ....間違っちゃねえが、それはお前がなっちまったら意味ねえだろ。」

　甘美な言葉と云う浅見に思いっきり顔を顰めるが、その前に云っていたもふもふと云う単語と浅見の視線の先に捉えている自分の尻尾に、思わずぴんと真っ直ぐ上に立てて背に隠しつつ、そっぽを向く。

　自信ありげに無いと言われ、　どっから出てくんだよ。　んなの分からねえだろ　と口にはしないが、内心では思っていて浅見を見ていた目線を逸らすも表には出さないが嬉しくもあるため、自分の頭を掻いて気を紛らす。

「....千景だ。　別に、君でも先の呼び方でも良いが、俺の名は千景だ。　今後関わる気で居んのなら頭の隅にでも入れておくんだな」

　知りたいと云う言葉に目を見開くも正気か？とやや疑うような眼差しで、暫し黙った後に、徐に口を開けば、最初の方をぼそりと呟いてから、自分の名を告げていて。