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じゃあその腕をどけてください、と言おうとするとしっかり腕を組まれ直され、離してもらうのは諦める。

涼香「冷酷非道、ですか…」

要の話を聞いて、聞こえないように小さく呟くと黙り込む。
周りからの雪女への印象はそんなもんだろう。分かってはいるが、実際面と向かってそう言われるとさすがに傷つく。
この地域も大体の人がそう考えているとすると尚更ばれないようにしなければいけない。
暑さとは違う意味で汗が頬を伝う。

「ふぅー、落ち着く。」

腕を離したということは到着したのだろう。大きく深呼吸をしてあたりを見渡す。
静かで涼しくて、涼香にとってはとても居心地が良かった。