繰澪鴉様
「可愛い顔だね……耳、弱いのかい?」
月野は見つめられてクスッと笑い、耳を舐めて甘噛みする。
来羽様
「そうか? ……いや、子供からタイムを貰うなんて情けないことできねえよ」
博文はそんなことはないと思いつつ、問われて苦笑いする。タイムには困っていない、といいたいところだが存外、他の組織との抗争や喧嘩等で体に負担をかけることが多くタイムが減りやすくなっていた。
Curro様
「ん……簡単に蹂躙されるね」
月野は一度口を離し嘲笑うかのように言い服の上から胸を撫で揉む。
冥様
全年齢だとディープにいちゃこらできませんからね(笑)← 最近表二次なりの方は人が減ってきてるっぽいですね。
ありがとうございます! もちろんですっ。では始めますねっ。
休日の昼間ということもあってか外は静かで、たまに自転車の通り過ぎる細かな音や車の走行音が聞こえてくる。襖が開け放たれた部屋で男は縁側の外の景色を眺めていた。
広々とした和室は一面に畳が敷かれており、部屋の隅にはニスを纏(まと)った棚や掛け軸、装飾の凝った坪が鎮座していた。そこに一際存在を目立たせるのが、鞘を着て刀掛けに置かれている日本刀である。
時おり吹く風が風鈴の紐を揺らし、硝子を打つ高い音が心地よく響く。風鈴を鳴らした風は男の赤茶けた髪を煽り揺さぶった。二十代前半ほど、がっしりとした体と厳つい顔は堅気とは呼びがたい印象を起こさせる。
襖を引く音がして一人の若い男が入ってきた。彼は赤茶髪の男に黒い薄い本のようなものを渡すと部屋から出ていってしまった。
「……咲良、お前の婚約者はこいつが相応しいと思ったんだが、会って話してみないか」
男――黒岩博文は、目の前にいる咲良と呼んだ少女にその黒い目を向ける。先ほど受け取った本のようなものを広げて机に置き、咲良の方へ押し見せた。
本の中身は一枚の写真のみが紐で挟まれていた。そこに写るのは咲良と同年代くらいの一人の男子学生だった。真面目そうで誠実さも兼ね備えていると見える。
律様
もちろんですっ。では始めますねっ。
「……お前、こんなところで何してるんだ」
雨のなか、零治は一人さ迷う少女を見つけて不審そうに声をかけた。別段、周りにあまり関心を持たない彼からしてみれば珍しい行動である。雨粒が傘を打ち付けて煩かったため少し声を張っていた。