「……誰で――――っ」振り返ろうとした瞬間に口と鼻をハンカチでふさがれ、突然のことに反応できずに息を吸ってしまう。動きも封じられ、なぜか体がだんだん重くなっていき、それが睡魔だということに気づくのに少し時間を使う。その理由はたぶんハンカチにあるのだろう。自分の名前をなぜ知っているのか、ということもあったがそこまでの考えに至る前に深い眠りに落ちる。