「…寮を探している。我輩をおいてくださる方を探しているのだ」 礼を言うより先に自分の目的を言ってしまった。 私はここに逃げ込んできた。だからそのために寮で身を隠そうと寮を回るつもりだったのだ。 桜姫であると名乗れば確実にあいつらに情報を渡されるだろう。そう思い私は番傘をさし直して江戸の町へ向かおうとした。