大人なりきり掲示板

Re: 【NL/逆ハーレム制】金のかけられた恋 【募集中】 ( No.14 )
日時: 2018/08/22 04:51
名前: ほのか ◆jqT/FqJTf2 (ID: QxkFlg5H)

茜空さん


 ひたすら青い空が上空を埋め尽くしていた。雲の白はわずかに、切れ端のように見える程度。陽の光が眼下へ熱を送り、一体の空気が熱せられる。その熱を破って、時たま来る風が人々に一瞬だけ快感をもたらしていた。しかし教室の中はクーラーを効率よく効かせるために窓が締め切られていて風や外の熱が入る余地はどこにもない。
 木々から絶えずセミの声が窓を貫いて聞こえる。セミの煩い合唱は止まず、むしろだんだん誇張しているようにさえ思える。しかしその長い合唱はチャイムの大きな音一つで忘れ去られた。
「やっと終わりましたね」
 終礼が終わり、気を緩めて唸り声をあげ机に寝ころぶ者、終わった直後に周りと話し始める者の声、やることもなく帰る者たちの椅子をしまう音、それらが一斉に混ざり教室の中は一気に騒がしくなった。
 窓際の席の後部にいた少年は、少し騒がしさがマシになってから隣のアッシュブロンドの長髪の少女に声をかけた。彼の机には既に身支度の済まされた鞄が置いてあり、すぐにでも帰れるようになっている。彼は柏木夏木、十七歳の男子高校生で、深緑の髪に同じ色の目を持っている。その隣の少女は夏木がよく勉強を教えている楠木愛音、彼のクラスメイトである。
 教師によるが、ホームルームは大抵、担任の話が長くなったりして長時間待たされてしまう。夏休み中の登校日ということもあってか、生徒たちは担任の同じ話の繰り返しや脱線に脱線の重なった長話をイライラしながら流していた。早く帰りたい者は鞄を持っていて、担任がそれに気づいて指摘したりもしていた。夏木も長いと感じていたのか苦笑いを浮かべていた。