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プロローグ　聖光学園へ編入！？

「おらぁ！」
　俺はそう言って、目の前の金髪リーゼント頭の顔面を殴る、自分の背後にはメガネをかけた大人しそうな少年がいる。
「ぐっ……てめぇ……覚えてろぉ！？」
　金髪リーゼント頭は、口から血を出しながら、逃走する。近くの舎弟もだ。
「ご、ゴメンね蔵人君、守ってもらって……」
「いーんだよ、お前は俺の学校の生徒、だったら、三年である俺が後輩、同輩を守らねーとな？」
　俺はそう言って、メガネをかけた少年の頭を撫でる。俺の名前は高澤　蔵人（たかさわ　くろうど）、余瀝（よれき）学園の三年生だ。
　俺は所謂『ヤンキー』って奴だ、だが、俺はそうは思ってねぇ。ただただ、自分の思った事、行為をしているだけだ。ただ、それだけだ。
　だが、そんな俺でも、翌日の学園長には驚くしかなかった。
　それは翌日の事、俺は教師に呼び出され、学園長室に向かった。
「ちーす、高澤蔵人、入りまーす」
「あぁ、入れ」
　そういって、高圧的な言い方をする余瀝（よれき）学園の学園長、その学園長から、俺はこう言われた。
「君は、昨日、隣街の、『背続（はいぞく）高校』の人間を殴ったな？」
「……高校名は知らねぇけれど、人を殴ったのは確かだ、でも、あれは後輩がソイツにカツアゲされていたから、助けただけだ！」
「でも、殴った事に変わりは無い、と？」
「……あぁ」
「……はぁ、君って奴は……余瀝（よれき）学園始まって以来の悪魔だよ」
「人間だけどな？」
「人の揚げ足をとらない……君には呆れたよ、だから、一ヶ月の謹慎処分を受けてもらうよ？」
「前から受けてるし、へーきだ」
「へぇ？　じゃあ、『聖光（せいこう）学園での、一ヶ月の謹慎』でも？」
「……えっ？　聖光学園……？」
　聖光学園、名前だけは知っている。とても綺麗な女子校で、簡単に言えば、お嬢様学校だと。でも、何で俺が……？
「君の行動にはとてもと言えるレベルで酷い、だから、聖光学園で、礼儀正しい教養、行動を指導してもらいなさい？　来週の月曜日から、君は聖光学園の一ヶ月生徒だ」
「はっ……！？　嘘だろ！？　たった一発人を殴っただけで！？」
「でしょうよ！？　暴行罪不可避だよ！？」
「…………」
　小さな悪も、塵も積もれば山となる、いや、大悪となる、か……俺はそう思いながら、来週の月曜から、聖光学園の一ヶ月生徒となった──だが、俺にとって、聖光学園はとんでもない所だと、知るのは、来週の月曜日からだった──