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>>91

｢ｹﾞﾎｯ、ｹﾞﾎｯ……ｯ、！…うぇ、まっず……！｣

息を吸うと先程飲んだ媚薬の味がまた感じられた。甘ったるく、酒みたいな独特な味。女性は好む味かもしれないが、れっきとした男である弥勒の味覚には決して合わなかった。心底不味いと感じたのか、岸辺の前では初めて悪態をつきながら顔を歪ませ。咳き込みながら相手を見る、相手は自分の身体に夢中で此方を見ない。ゴツゴツとした男らしい手が脇等に触れるとつい声が漏れてしまうが仕方ない、擽ったいのだから。触られると妙に身体がざわざわして熱くなるのは、きっと気の所為だ。媚薬が体全体に塗り込まれる、じわじわと迫り来る外界からの熱に息が漏れそうになってしまう。てらてらと妖艶に鈍く照り光る白く細い身体は何処か扇情的で、色気があった。そんな自分の身体に溜息が漏れそうになる、早く終わらせてくれないものだろうか