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>>19

高校3年生、卒業を控えた大事な年。皆いそいそと就職の用意や大学への進級等と、それなりに忙しくしている。だが俺にはそれは関係ない話だ、師である叔父と共に修行なんて、馬鹿げた未来を背負っているからだ。そういや前、その事について軽く付き合ってた女子に泣きつかれたっけな。心底面倒くさいと思った過去を思い出す、行かないでなんて言い続けて、往生際の悪い女だった。仕方の無いことなのに、どうして無理に曲げようとするのだろう。別れといえば此奴ともそろそろさよならか、隣を歩く岸辺をそっと横目に見ながらふと考える。俺に付きまとって少し可笑しな奴だったが、決して悪い奴ではなかったと思う。らしくもなく、少し寂しいなと思いながら帰り道を歩く。住宅路に続く道と、山寺に続く道が別れようしているのが見える

｢ではまた、明日学校でお会いしましょう｣

にっこりと人当たりの良い笑顔で使い慣れた敬語を吐き出せばくるりと背を向ける、帰ったら何をしようかなんて考える程、今の弥勒はとても呑気だった