大人なりきり掲示板
- Re: 【参加制】散る間際まで【募集中】 ( No.77 )
- 日時: 2018/10/18 20:35
- 名前: 菜穏 (ID: OBp0MA9U)
【浮上が出来た為載せますが、予定があって今日はこれ以上の浮上は出来ません。
申し訳ありませんが、次に絡みに返しがあった場合、かなり遅くなる場合があります。
いい加減リゼルの目を覚まさせるので、視点変化は無くなります】
【リゼル/日並町 通り→公園】
あぁ、一体誰がこんな事を。
人混みの中から聞こえる一言が、胸に突き刺さる。そんなの分からない。分からないんだ。俺が帰ってきた時には……
友達が少なかった俺に唯一、話しかけてくれた彼女。心の支えとなってくれた彼女。俺の……心だったのかもしれない。失った時の喪失感は計り知れず、皆に笑顔を振り撒く爽やかな姿を消し去った。あの時一緒に行かないかと声を掛けていたら。あの時一人にさせてなかったら。あの時、俺が代わりと成れたなら。憎しみに勝った、絶望と、虚ろと、後悔。
ニィ、と再び声が聞こえるや否や、俺は走り出していた。灰色の町並みを、止まること無く。走る度に、鳴き声は大きくなる。
こんな世界、嫌いだ。俺に居場所なんて無いんだ。眠っても、起きてても、俺に居場所なんて無い。
光が、見えた。
静かに目を開ける。目に見えたのは木の優しい緑と、俺の上に乗って顔を覗きこむニィ。
「ニィ? 俺は……」
此処が何処なのか分からず、ニィの頭を撫でようと手を伸ばした時、ニィが俺の手の甲に強烈な猫パンチをくらわせた。突然の事に一瞬固まってしまう。しかしニィは一回だけニィと無くと、俺の顔にすりよってきた。
「あぁ……俺……道端で倒れたんだな……それでお前に心配を……」
恐らくあの猫パンチは、心配を掛けた事に対するニィの返事だろう。鉛の様に重く感じる体を起こす。するとニィは俺から飛び降り、側にいた男性の足元まで来ると俺を見てニィと鳴いた。
恐らく、彼が俺を此処まで連れてきてくれたのだろう。男性と目を合わせたが、纏まりの無い髪が鮮やかな髪の色で、目の奥に痛みを感じて目を逸らしてしまう。
「……わざわざ、此処まで連れてきてくれたんだな……すまなかった……」
ベンチから立ち上がりながら言う。一瞬だけよろけたがなんとか立ち上がり、目の痛みを覚悟で男性と目を合わせた。光を失った虚ろな瞳では失礼だっただろうか。
「……時々家でも気絶するが……道で倒れるのは初めてだ……
……しかし、俺は恩の返し方を知らない……どうやってこの恩を返したら良いか? 」
生憎、俺は借りた恩をすぐに返したがる人だ。ずっと恩を返さないでいると後悔する。俺は彼女から借りた恩を、返せなくなってしまったのだから。同じ後悔は御断りだ。