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>リアラ・ルミナリス

目覚めた室内で聞こえた声。
慌てて身体を起こし警戒しながらそちらに視線を向けると、椅子に腰を下ろした軍人の姿があった。
ジークフリート。良くわからない敵国の中佐。
食事を運んできてくれたらしく、やはり言葉の端々に真面目さが見える。
「失礼な姿を見せてしまいましたね。申し訳ありませんでした」
睡眠という無防備な姿を晒してしまい、微かに頬を染め視線を逸らす。
だが食事という言葉に困惑を浮かべてしまう。
見たところ食事の内容は缶詰の非常食。薬物の混入は難しそうだ。
交戦の最中、ろくに食事を取る気も起きなかったため、今になって空腹感も湧いてきてはいるが、敵の施しを受けるのも気が引けるし、機械文明の発達したマキナの技術だ。薬物が入っていない保証はない。
「運んできて戴いたのには感謝しますが、私、あまり食欲はないので、ご遠慮させていただきます」
強がりとバレないように、私に構わずにどうぞと柔らかく答えた。