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>リアラ・ルミナリス

突然の彼の行動。毒の混入を疑っていたリアラの思考を掴んだかのような発言。
ジークフリード。やはり侮れない人物である。
身体に悪いという彼の言葉は確かに頷けるものがある。
民に生きろと言っておいて、リアラ自身が己をないがしろにするのは余りにも矛盾しているように思える。
「…っ…ぅぅ……、あ、貴方の言う言葉にも一理あります…。ですから、少しだけ、戴かせて戴きます…」
ジークフリードの微笑みに瞳を伏せ『別に、心から屈したわけではない。ただ無様な死に際を残さないためだ』と心に秘め、彼に感謝の意味を込めて小さくお辞儀をし、取り皿、スプーン、フォークを受け取った。
だが、不意にリアラは自身の問題に気づく。缶詰から、そもそも料理の取り分けなど今まで経験がない。
戦線の最中も常に他の隊員が衣食の世話をしてくれていた。
どうしたものかと、戸惑いを見せるしかなかった。