「……、――。」和希の眼には誘っているとしか見えない様に映っている事など知る由も無かった。然し、ずっと仰向けで眠っていたが和希がこの部屋に入ってきてから初めて不意に彼が居る方向に寝返りを打ち、何かをぼそりと呟き乍普段では見れない色気とはまた違った魅力を魅せるかの様に、ふにゃりと腑抜けた笑顔を浮かべていた。気が抜けた笑顔からしてどうやら夢をみている事がわかる、其も楽しい若しくは嬉しそうな夢で。呟きは勿論意識が無いので寝言である。