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>>21

ゆっくりと腰を上げ、メロンパンを包んでいた紙をくしゃりと掌で軽く潰して、近くのゴミ箱に捨てる。背後からタッタッタッと軽快なリズムで地を蹴る音が。まさかと思い後ろを振り向くと、案の定眩しい程に元気いっぱいな彼で。此方が配慮したというのにも関わらず、とつい頭を抑えてしまいそうになるがそこが彼の長所だ、否定することは先生としても人としてもいけないことだ。先生と呼ばれ、仕方ないと思いつつ困った様に笑いながら可愛い生徒を待ってみる。彼が無事転ぶこと無く近くに歩み寄ると、いつもの調子で頭を軽く撫でてあげながら言い

｢全く、折角干渉しない様にと配慮したのに…彼が困っているから、戻ってあげなさい。後、学校の外では先生と呼ばないこと。いいね？｣

ぽつんと残された俊哉を見て、同情した様にハハッと薄く笑う。元気な子に振り回されると大変だということはよく分かる、私もよく振り回されていたものだ。で、その元気な子に対して叱る口調ではありながらも優しい声色で言えば、人差し指で相手の頭を軽く叩く所謂｢めっ｣と云うやつをやってみる。これで効く子だとも思わないがね。本当に可愛くて困った教え子だ、彼も大変だなと、また視線を向ければ手を軽く振りながらふっと軽く笑って