書いてくださった皆さん、ありがとうございます!
>>146
「良いの。こういうの女の子に払わせるの良くないと思ったし、今日はあかねさんとお食事できて楽しかったから」
彼女の言葉にそう返して、笑みを浮かべる。折角の幸せな時間ももうすぐ終わるのか、終わらせたく……ないな。と思う自分が居る。
募る好き、という気持ち。カランコロン、と再び鐘を鳴らすと外の湿った空気を吸う。
口を閉じて一人、歩きながら自分はどうするべきだろう、と考えていた。
もしかしたら、もうあかねさんとお食事できる機会が無いかもしれない。
挨拶する機会があっても、そこで思いを告げられたら相手も困るだろう。
自分は素敵な人間じゃないし、ただあかねさんが好きなだけの男だ。
好きという思いを伝える前に彼女に嫌われたくない、その一心で抱き締めたいとかただ一緒に居たいとか。
それが実現できない苦しさに耐えていたが、これ以上我慢できるのだろうか。
なら、今日、玉砕した方が良い。覚悟を決めた筈が、明日のことを想像すると嫌になる。
>>147
歩いて追い付く筈が二人がこちらの方に来ているではないか。二人は、というかもう一人は連れていかれるように駐車場へと入り込む。
考える間もなく体は動き出し、おい、と怪しい男に声を掛ける。
「あんた、何してんの。強制は善くねぇだろうが……警察、呼ぶぞ?」
相手の腕を掴みながら声を掛けると、その男は警察という言葉に反応したのか、もう一人、見たことのある顔の女を睨んで黒の車で猛スピードで立ち去った。
残された女の方を見て、
「いちおー、大丈夫だったか、あんた……?」
そう声を掛けている最中に思い出した。隣の女か、と。
はぁ、と溜め息つきながらこのまま放ってもおけねぇし、と彼女の反応を見る。
>>148
「いや、むしろそうして欲しい。仮にも教師と女子高生が一緒のベッドで寝るなんて……ヤバイだろ」
彼女にそんな風に返したものの、あっさりとベッドのある方へ向かっていったから、妙に安心してしまった。
彼女が寝るなら、俺も寝るか。理由はないが、そう行動に移す。
部屋の電気を消してエアコンにタイマー掛けて、ソファーに寝転ぶ。
慣れない来客に疲れていた訳ではないが、日頃の疲れが押し寄せたのか、直ぐに眠りの世界へと誘われ、向かってしまった。
置きっぱなしの冷えていた筈の麦茶もいずれ、ぬるくなってしまうのだ。