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>>255

苦笑いをする彼に「大丈夫」と伝えると、彼が促すように引っ張るので足元が縺れる。
周りにいた女子生徒達に帰りの挨拶をすると、冬弥は彼の歩みに合わせながら歩いた。

「いきなりどうしたんだ？」

彼がこんなに促す事なんてないのに、と思いながら上記を口にする。

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当たり前のように『好き』というワードを言う兄に「そうですかー」と軽く流す。
彼の言葉にまだいないくせにと思いながら流していると、兄の携帯に着信が入ったので陽向は少し焦った。
電話に出た兄の会話を聞こうと視線を逸らしながら、耳を傾ける。


>>256

「ごめんな。泣かせるつもりは……なかったんだけど」

本当は少しだけあった、と思ったがここは空気を読んで口には出さなかった。
けれど、頑張ると彼は言ったが本当にやるのだろうか。
そう思いながら遊を見つめる。