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低空飛行を始めた彼を見やる。その瞬間こめかみから顎にかけて、玉の様な汗の雫が零れ落ちる。ああ、どうやら彼は暇を潰すところがない様だ。でも、こんな無骨な男に着いて行こうとするなんて、彼の目は少し可笑しいのかもしれない。いや、唯俺の事を探ろうとしているだけか。そうだよな、信用ならないもんな。人の行いを否定してはならぬとあるのに、未だ私は修行不足の様だ

「構わん。だが、私は唯休憩するだけだ。面白みも何もないぞ」

魔力の激減で重い身体を持ち上げ、先程と変わらぬピンとした優等生の様な背筋になる。重い瞼も、渇いた瞳も痛かったが、悪魔に弱みを見せてはならない。いつもの表情(といっても無表情なのだが)をすれば、淡々とそう言いながら歩き続ける