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起こす。その単語にしっかりと意識が覚醒すれば、自分がした恥ずべきことに嫌でも脳が冴えた。まるで追い詰められた獲物の様に背後に後ずされば冷や汗をたらりと垂らす。夢と勘違いして、気持ちの悪い顔を彼に見せてしまった。あぁどうしよう、寝起きの頭では考えたくとも考えられない。頭が渦の様にぐるぐると回って、混乱が止まらない。取り敢えずこの表情をやめなければ、と思いいつもの真面目そうな、つまらなさそうな顔に戻り淡々と言う

「ね、寝起きを襲おうとは流石悪魔だ。召喚したてで腹でも減っているのかね？」

少しの動揺は隠しきれなかったが、いつもの皮肉は変わらずいい切れた。これでさっきのことは幻とでも思ってくれるだろう。彼にあんな顔を見せたのも申し訳ないし、何より自分が恥ずかしい。彼の記憶からも、自分の記憶からもゴミ箱に捨て去りたいものだ