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押し開いていた扉を彼が足を踏み入れたのを一見し、扉から手を離した。
後背から扉が閉まる音を耳に入れながら部屋の中心へと歩みを進め、グザリフを一瞥してから簡潔に部屋の説明をした。

「一先ずは終わりだ、また何かあれば聞くがよい。それと、この部屋はもうグザリフに差し与えるのだから余計な遠慮は無用、好きに使って呉れて良いからな。」
躊躇ってしまいそうだと云う事に悟って、敢えて穏やかな笑みを浮かべて言う。

「そちらも何かと準備が必要であろう、準備が整う頃にまた呼びに来るぞ。」
儀式の準備もあるため、扉へと手を掛ける。