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「あぁ、ではまた後に。」

彼の日常は突然環境が変わってしまうのだから私生活にも影響を来すだろう、彼が馴染んで快適に過ごせるように気遣っていかなければな、と心意気を新にする。
その為、世話役を担い親切にするなんて当然の事をしたまでだと云う様に言葉を返してから部屋を後にした。

バルコニーへと続く長廊下を歩き乍先程律儀に礼を述べていた彼の姿を思い浮かべｸｽﾘ、と笑みを溢していたのだった。
バルコニーへと出る扉を少しだけ開き、様子を見ていると既に契約を交わす為の会場にと準備が進められていて改めて仕事が早いな、と感心した。
足を踏み出し、先ず「指令を出していないにも拘わらず、本当に仕事が早くて助かる。」と感謝を示し手摺へと歩きよって見下ろすと民衆が待ち構えていた。
民衆がヴェネッサの姿を拝見すると歓声の声が上がり、ヴェネッサは「今回はお集まり頂き感謝する。儀式開始にはもう暫く時間を要する故、もう暫し御待ち頂く事になる。」と言葉を口にした。