「その者に何か思い入れでもあるのか?」何を思ったのか唐突に再び"リネル"に関連する問い掛けに意表を衝かれて表情が崩れかけるも、どうにか穏やかな笑みで持ちこたえる。此れでは此方が平常心で居られなくなる。ご存知も何もグザリフの口から発せられる名は恐らく自分の事だ。然し、彼の口から発せられるリネルは本当に自分であるのか、少なくとも己の記憶に彼との関係性があったのか思い出せず、困惑してしまう。