15歳以上向け小説投稿サイト「大人小説☆カキコ」。超本格派から秘め事・過激な小説まで！

>>749

「人間、というのは難しい者だな」

彼の言葉にそう改めて感じ、口にする。
クリスは黒羽に近付くと「ほら、やっぱりこれ試してみないか？」ともう一度交渉してみる。


>>750

「いや、そういう事じゃないんだけど……まぁ、ありがとう」

そう言うとクラウドは薄い笑みを浮かべる。
意味を履き違えてしまっているが、これも彼らしいので許そう。
彼に察してもらうのは難しいと判断したクラウドは、「俺、悪魔なんだけど」と軽いノリで言った。


>>751

特に料理に突っ込む事もなく美味しそうに食べる彼を見て、彩乃は安堵する。
これで変に弁解しなくて済む。
ふと呟いた彼の言葉に気付き、彩乃もテレビの方へと視線を向ける。
テレビでは心霊番組が映されていた。

「……そういうの、普通に見れるんだ」

普段は強気な姿勢を見せる彩乃は実は泣き虫なので、こういう類いは苦手だ。
なのに、目の前の彼はつまらなそうな表情を浮かべて平然と見ている。
つまらないのなら、早く違う番組に変えてほしいのだが……

---

無意識でこんな道を選んでいるとは。やはり彼女は人間ではない、という証拠だろうか。
黙って彼女に着いていくと、不意に鼻孔をツンとした刺激臭、いや腐乱臭が漂った。
この臭いは、嫌な予感しかしない。
目的地に辿り着いたのか、彼女は足を止める。
足を止めた場には腐乱臭が漂っており、気分が悪くなる。

「人間を棄てる……そんな事をして一体、貴方にどんな利益があるんですか？」

こんなにしているという事は、何かあるに違いない。
そう思った優樹は、素直にそう彼女に問う。